3S活動を徹底し、スピーディーな納品を実現!
3Sとは、「整理」・「整頓」・「清掃」のことを言います。
それぞれの頭文字(S)をとって、3Sと呼ばれており、製造業の世界ではよく使われている言葉です。
-
要るものと、急がないものと、要らないものに区分して、急がないものは保管し、要らないものは捨てる。
-
今要るものが、いつでも、誰にでも、すぐに取り出せるように、定位置・定量・定方向を決め、表示・標識をする。
-
ゴミなし、チリなし、ホコリなし、汚れなしのピカピカにする。
3Sの目的とは?
大前提は「安全で、快適で、効率的な職場をつくる」ことにあります。
また、3Sの真の目的とは、「守るべきことを決めて、決めたことを守る」という企業文化(社風)をつくることにあります。
3S活動を始めたきっかけは?
父(先代)の時代は、勝手に片付ける、捨てるは御法度で、足元にある材料や製品にけつまずいても片付けることをしないような状態でした。
ほとんど動かなくなった材料や部材に関しても、もったいない、またいつか使う、という理由でなかなか捨てずに、大事にとって置くことが常でした。トップの判断を仰がなければモノ一つ捨てることもできない。昔ながらの町工場という感じでした。
これでは社員が率先して、整理、整頓、清掃に取り組めるはずもありません。
スタートはしたものの……
最初はそんなに簡単に活動が進むはずもありません。
まず、社員たちを巻き込んで進めることの難しさの壁にぶち当たりました。
勝手に社長が3S活動を進めることを決めた・・・ということが根底があるので、
「そこまでする必要があるのか?(そこそこうちは綺麗やで・・・)」「忙しくて活動時間がとれない(目の前にある仕事をそっちのけで、3Sを優先するのか?)」といった、できない・やらない言い訳は多数ありました。
しかし、3S活動に終わり(マンネリ)はないし、効率的な仕事をするために(忙しいからこそ)3Sに取り組む、ということがやっと最近理解できてきたところです。
現在の取り組み
3Sグループに加入
平成25年3月に志を同じくする3Sグループに加入し、取り組みをスタートさせました。
1社だけでは継続が難しいですが、互いに切磋琢磨しながら行うことにより、忙しいからできないなどの言い訳ができなくなり、外部からの厳しい指摘は自分たちへの甘えを断ち切ります。
今は、3Sグループに参加しているので、いい意味でのライバルたちに囲まれ、いい刺激を受けています。
進め方についても進化しています。
社長がすべて決めて進めるのではなく、社員全員で取り組みます。
リーダーを決め、方針を決め、いくつかのグループに分け、それぞれの小グループごとの活動をおこない、全体会議で各グループの発表、それを受けてリーダーがまとめたものを毎月定例でおこなっている3Sグループで自社の発表をおこなう。そういうルーティーンが確立できたことにより、今は日々3S活動が進んでいます。
独断で始めたことでしたが、今は社員が率先して取り組んでくれていることが嬉しい限りです。ということは、社員も3Sによる効果を実感しているのだと思います。
主な内容は、月1回の班長会議、班活動、全体会議です。
「一人の百歩より百人の一歩」の言葉にもあるように、社員全員を巻き込んだ地道で継続できる取り組みになるように進めております。
3S活動の一例をご紹介
【段ボール】サイズ表の改良
段ボールサイズ表を
写真付きにして見やすくしました。
【コンプレッサー】マニュアル作成
コンプレッサーの起動方法と停止方法についてのマニュアルを作成しました。
【守口】シンク下の整理・整頓
乱雑に置かれていたものを整理・整頓しました。
【整理場】棚の整頓
棚に置くケースを赤いテープを用いて定位置化しました。
3S活動をはじめて変わったこと
3Sを通して、見える効果・見えない効果がたくさんありました。
見える効果としては、やはり工場内が非常にスッキリしたということです。移転当初は、機械やモノが密集し、その間で人が作業をするといった非効率なことをしていました。人間、どんな状況にも慣れるもので、そんな状態から明らかに良くなる方向への改善にも社員からは当初は抵抗がありました。
今となっては、以前はどのように仕事をしていたかもわからないぐらい変化しました。来社いただいたお客様からもお褒めに預かることが多くなっております。
新しく入ってくる社員に関しても効果がありました。
特に障がい者雇用をする上で、整頓である5頓(定位置、定量、低方向、表示、標識)は、作業をおこなうにあたって分かりやすく、働きやすい職場に繋がっております。
既存社員にとっては、当たり前のことでも、新しく入ってきた社員からすれば、見るもの、聞くものすべて初めてで、そのような状態でもモノがあるべき場所などが明らかになっていることは、他の人に聞く時間、教える時間の短縮にも繋がっております。
弊社でも最初は勘違いがありましたが、3Sは単なる「美化活動」ではないということです。
「心の3S」という方もいらっしゃいます。工場が綺麗になる、効率的になるというものは基本的な効果です。
大事なことはそこで働く人が変化するということだと考えます。
「守ることを決めて、決めたことを守る」「気づき力」「感性が高まる」「前向きに取り組む」、すべて人に関しての事ですが、「企業は人なり」と申します。
その会社がどのような会社かは、そこで働く人がどのような人かによります。
3S活動を通じて、我々がどれだけ人格を磨けるかが、真の3Sの目的だと常々考えております。